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レモングラスの使い方まとめ|料理以外で楽しむ入浴・虫よけ・ハーブティー活用法

一日の終わりに湯船でほっと一息つく時間は、心身を整える大切なひとときです。多くの人は市販の入浴剤を入れて楽しみますが、そこでおすすめしたいのがフレッシュなレモングラス。イネ科に属するハーブで、レモンのような爽快な香りが特徴です。お湯に入れると浴室いっぱいに清々しい香りが広がり、気持ちを切り替えたり、溜まった疲れを和らげたりするサポートになります。香りによるリラックス効果だけでなく、血行促進や肌のコンディションを整える効果も期待できるといわれています。

さらにレモングラスの魅力は、お風呂だけにとどまりません。ハーブティーとして飲めばデトックスや栄養補給に、料理では東南アジア料理の風味付けに、また精油や生葉を使えば虫よけアイテムにもなるなど、暮らしの幅広い場面で役立ちます。たとえば暑い夏の日には冷たいレモングラスティーを、寒い夜にはホットで体を温めたり、キッチンや玄関にスプレーして清涼感と虫除け効果を得たりと、季節ごとに異なる使い方も楽しめます。

ここでは特にお風呂での使い方を軸にしながら、飲む・食べる・まもるという観点から家庭で実践できる具体的な活用法をまとめて紹介していきます。レモングラスをうまく取り入れることで、日常生活が少し贅沢で心地よい時間に変わっていくはずです。

お風呂で使うのが一番簡単で効果的

レモングラスは南アジア原産の多年草ハーブで、古くから薬効や芳香を目的に利用されてきました。主成分であるシトラールが生み出すレモンに似た清々しい香りは、嗅ぐだけで気分を軽やかにし、深いリフレッシュをもたらしてくれます。特にお湯に浸かったとき、湯気に乗って浴室全体に広がるその香りは、心地よい空間を演出してくれるため、入浴との相性は抜群です。

また、レモングラスの香りには緊張をやわらげたり、自律神経のバランスを整えたりする作用があるとされ、心の安定にも役立ちます。お風呂に取り入れることで、日中にたまったストレスや肩のこわばりが解きほぐされ、バスタイムがより豊かな時間へと変わります。香りの効果だけでなく、湯に浸かることで血行が促進され、新陳代謝や疲労回復にプラスの影響が期待できるのも嬉しいポイントです。

さらに、お風呂上がりには爽快感が残り、肌も清浄に保たれる感覚を得られます。蒸し暑い季節にはデオドラント効果を助け、寒い季節には温め作用が体をじんわりとほぐします。リラックス、リフレッシュ、美容や健康の維持という観点から見ても、レモングラス風呂は非常に優れたセルフケア方法といえるでしょう。

生レモングラスは熱湯で香り出ししてから浴槽へ

乾燥葉でも使えますが、香りの立ち上がりはフレッシュが優勢。ひと手間かけて「香り出し」をすると、浴槽に入れたときの満足感が違います。さらに、熱湯をかけることで葉から精油成分が立ちのぼり、香りだけでなく有効成分がよりしっかりと抽出されます。お湯に入れる前にこの工程を加えると、体に感じる温め効果やリフレッシュ効果も強まるとされています。

生レモングラス風呂の基本手順

  1. 葉(主に緑の部分)を4〜5cmにカット。切ることで香りの通り道が広がります。
  2. ティーバッグやだしパック、水切りネットなどに入れる。細かい破片が浴槽に広がるのを防げます。
  3. 耐熱ボウルや洗面器に入れ、熱湯を注いで数分置き、香りと成分を抽出。お好みで5〜10分待つとより濃厚な香りに。
  4. 十分立ちのぼってきたら、抽出液ごと浴槽へ。抽出液を直接加えると香りが全体に素早く広がります。

時短したいときは、2の状態で湯はり前の浴槽へ入れておけば、20〜30分後にはお湯と一緒にやさしく抽出されます。手・足だけ温めたい日は、香り出しした洗面器をそのまま手浴・足浴にしてもOK。肩だけ浸す部分浴などにも応用可能です。

感じられるうれしいポイント

  • バスタイム中のリフレッシュ感。心が整い、寝る前に気持ちを切り替えやすくなります。
  • 汗ばむ季節のにおいケアにも一役。天然のデオドラント作用で清涼感が長持ち。
  • 清潔を保ちたいときのすっきり感。肌荒れや皮膚トラブルの予防にも役立つといわれています。
  • 血行促進による冷えの改善。特に冬の入浴でじんわりと体が温まりやすくなります。

手作りバスソルトに混ぜてもOK

レモングラスの刻んだ葉精油(エッセンシャルオイル)を、天然塩(エプソムソルトや岩塩など)に混ぜればバスソルトに。塩の持つ発汗作用とレモングラスの爽快な香りが合わさり、相乗効果でリフレッシュできます。さらにハーブの香りを重ねることでオリジナリティもアップ。

レモングラスはラベンダー/ローズマリー/ゼラニウムなどとブレンド相性がよく、気分で香りをカスタムできます。疲れを癒したい日、集中力を高めたい日など、目的に合わせてブレンドする楽しみ方も魅力です。

市販のレモングラス系入浴剤(例:炭酸タイプの「ファインヒート」レモングラスの香り など)も手軽。まずは既製品で香調を試し、気に入ったら手作りへ―という流れもおすすめです。自分で作るのが面倒なときにも市販品があるのは安心ですね。

レモングラスはどこで手に入る?(育てる/買う)

  • 園芸:成長すると株高約1.5m、葉は80〜120cmほどに伸び、風に揺れる姿も美しい植物です。春〜夏にがホームセンターや園芸店に並び、初夏〜秋には刈り取り可能な収穫期を迎えます。プランターでも地植えでも育てられ、日当たりと水はけの良い環境を選ぶのがポイントです。肥料を適度に与えることで、葉の香りや勢いが増し、長期間楽しめます。冬は寒さに弱いため鉢植えなら室内に取り込むとよいでしょう。
  • 食品として購入:生葉(フレッシュ)や冷凍品、乾燥ハーブ/パウダーは通年で入手可能です。量をまとめて使うなら通販が便利で、業務用サイズも販売されています。少量だけ試したい場合にはスーパーやアジア食材店、一部の業務スーパーなどで少量パックが置かれていることもあります。特に冷凍レモングラスは保存性が高く、使いたいときに必要分だけ取り出せるので重宝します。乾燥やパウダータイプはハーブティーや料理に手軽に加えられるので、常備しておくと安心です。

冬場に毎日使うと消費が早いので、冷凍フレッシュドライを賢く併用すると続けやすくなります。また、摘みたての香りを楽しみたい場合は苗から育て、日常的に気軽に使いたいときは市販品を組み合わせるなど、自分のライフスタイルに合わせて選択するのがおすすめです。

飲む&食べる活用(ハーブティー/タイ料理)

ハーブティーですっきり&めぐりをサポート

レモングラスのハーブティーはクセが少なく、青臭さや苦みもほとんどないため、食後に口をさっぱりさせたいときにぴったりです。味は軽やかで飲みやすく、単体でも楽しめますが、ブレンドのベースにすると他のハーブの個性を引き立ててくれます。特にローズペパーミントカモミールなどと組み合わせると、香りのバリエーションが広がり、体調や気分に合わせて飲み分けられます。たとえばリラックスしたい夜にはカモミールと、気分を上げたい朝にはペパーミントといったように活用できます。

さらにレモングラスティーには、栄養素や機能成分も多く含まれています。利尿作用やデトックス効果に役立つカリウム、免疫を助けるビタミンC、妊娠期に重要な葉酸などが代表的です。加えて、鉄分や亜鉛などのミネラルも含まれているため、日常的な栄養補給にもなります。これらの成分は疲労回復や代謝のサポート、美肌効果にもつながるとされます。特に夜寝る前に飲めば、ノンカフェインなので安心してリラックスした眠りを促してくれるでしょう。

含まれる代表的な栄養素の例

  • ビタミンA/C、葉酸
  • カリウム、マグネシウム、カルシウム
  • 亜鉛、銅、鉄、マンガン など

ノンカフェインなので夜でも安心。ブレンド例として、バタフライピー+レモングラスは見た目にも美しく、鮮やかな青色がレモンを加えることで淡いピンク色に変化するため、ホームパーティーやティータイムを彩る一杯になります。

生レモングラスの簡単ティーレシピ

材料(約4杯分)

  • 生レモングラス 3〜4本(太め推奨)
  • 水 800ml(約4カップ)
  • お好みで:はちみつ/砂糖、レモンスライス、ミント

作り方

  1. レモングラスを洗い、外側の固い葉を外す。茎は包丁で軽くたたき香りを引き出す。
  2. 鍋で水を沸かし、レモングラスを入れる。
  3. 中火で5〜10分煮出す(香りの強さは好みで調整)。
  4. こしてカップへ。好みで甘味やレモン、ミントを添える。

このとき、レモングラスを細かく刻んでだしパックに入れておけば、後片付けも簡単です。香りをより強くしたい場合は煮出す時間を長めに、逆にライトに楽しみたいときは5分程度で仕上げると良いでしょう。また、冷蔵庫で冷やしてアイスティーにすると夏場にも飲みやすく、爽快感が一層引き立ちます。

だしパックに最初から入れておくと後片付けがラク。茶こしがなければ、キッチンペーパーを敷いたザルで代用できます。冷やして飲む場合には、氷を加えるとさらに清涼感が増し、レモンやミントを加えると見た目にも華やかです。

トムヤムクンやグリーンカレーの香りづけに

レモングラスはタイやベトナムなど東南アジア料理に欠かせない香味野菜。特にトムヤムクンでは根元に近い茎の白い部分を砕いて加え、独特の酸味と辛味をまとめる役割を果たします。口に入れて食べるのではなく、料理全体に風味を移すのが目的で、爽やかさと奥行きを与えてくれます。さらに、スープのほかに炒め物や蒸し料理の香り付けにも応用可能です。

グリーンカレーでも、ペーストの中に刻んだレモングラスが加えられたり、仕上げにパウダー状のレモングラスを振りかけたりするなど、使い方は多彩です。レモングラスを加えることでココナッツミルクの濃厚さがすっきりとまとまり、全体のバランスが整います。トムヤムクンやグリーンカレー以外にも、ナンプラーを使った炒め物、魚介の蒸し物などに少量加えるだけで一気にエスニックな雰囲気を演出できます。

このように、飲み物としても料理のスパイスとしてもレモングラスは活躍し、日々の食卓を新鮮で楽しいものにしてくれます。

3. 虫よけとして使う

レモングラスの爽やかな香りの主役シトラールは、蚊・ハエ・ダニ・ノミなどが嫌う香りとして知られ、生活スペースの簡易防虫に応用できます。キッチン周りの空間づくりや、クローゼットのケアにも活用できるほか、アウトドアやキャンプなどの屋外活動でも効果を発揮します。市販の化学的な虫除けが苦手な方や、小さなお子さんやペットのいる家庭でも比較的安心して取り入れられる自然派アイテムとして人気です。

精油で作るスプレーの基本レシピ(約50ml)

材料

  • レモングラス精油 3〜5滴(1滴≈0.05ml)
  • 無水エタノール 5ml
  • 精製水 45ml
  • ガラスまたは精油対応スプレーボトル(80〜100ml程度)
  • 混合用の耐薬品容器・スポイト(あれば)

作り方

  1. 容器に無水エタノールを入れ、精油を滴下してよく混ぜる。
  2. 精製水を加えて再度混ぜ、スプレーボトルに移す。

一般的なプラスチックのボトルは変質のおそれがあるため、精油対応容器を選びましょう。生活の木等の専門店や通販で入手できます。完成したスプレーは冷暗所で保管し、1〜2週間で使い切るのが目安です。必要に応じて香りの強さを精油の滴数で調整してください。

生葉から作るチンキ(抽出液)

材料

  • 生レモングラス 1束(刻む)
  • ウオッカ 約200ml(アルコール度数40度前後/ホワイトリカーでも可)
  • 煮沸消毒したびん、遮光びん

作り方

  1. 刻んだレモングラスをびんに入れ、材料が浸る量のウオッカを注ぐ。
  2. 冷暗所で保管し、1日1回振り混ぜて成分を抽出。
  3. 2〜3週間でチンキの完成。こして遮光びんで保存。

スプレー化する目安:チンキ5ml+精製水45ml ≈ 50ml分。アルコールを使うため保存性も高く、冷蔵庫で保管すれば数か月間使えます。アウトドアや旅行の際の持ち運びにも便利です。

家・衣類での使い方のコツ

  • クローゼットや玄関の空間に軽くスプレーすると虫の侵入を予防。
  • 衣類や肌に使うときは、二の腕の内側などでパッチテストを行い、刺激がないか確認を。敏感肌は濃度を下げるのがおすすめです。
  • 香りを強めたいときはラベンダーやローズマリーを1〜2滴ブレンド。ただし濃度が上がるほど肌負担も増えるため、必ず希釈を守りましょう。
  • 侵入経路(すき間・床の端)に軽くプッシュしてゴキブリ対策の補助にも。特にキッチンの排水口付近や玄関の隙間に吹きかけると効果的です。
  • 屋外ではキャンプ用テントの出入口やベランダにスプレーすることで、快適な空間を保ちやすくなります。

まとめ

  • レモングラスは、まずはお風呂で香りを楽しむのが簡単&満足度高め。香り立つ湯気に包まれながらリラックスでき、セルフケアの第一歩として取り入れやすい方法です。
  • 生葉は熱湯で香り出ししてから浴槽へ。時間がない日は湯はり前にパック投入でもOKで、手軽に楽しめます。さらにバスソルトやアロマオイルと組み合わせると、オリジナルの入浴剤作りも楽しめます。
  • 育てても買っても◎。フレッシュ/冷凍/乾燥をシーンで使い分けると続けやすい。家庭で育てれば摘みたてを使える贅沢があり、市販品なら一年を通して安定して利用できます。
  • ハーブティーは飲みやすく、ブレンドの土台にもぴったり。食後の一杯や就寝前にも良く、栄養成分の摂取やリラックス効果も期待できます。アイスやホットで楽しめ、季節ごとに変化をつけやすいのも魅力です。
  • 料理はトムヤムクン・グリーンカレーなどの香りづけに活躍。炒め物や蒸し料理に加えることで、一気にエスニック感を演出でき、日常の食卓を新鮮に変えてくれます。
  • 精油やチンキで虫よけスプレーが作れる。空間使い・衣類ケアに便利で、アウトドアでも効果を発揮します。化学的な虫よけが苦手な人にも自然派の選択肢として取り入れやすいです。

まずは市販のレモングラス系入浴剤で香りの方向性を確認 → 気に入ったら生葉・手作りバスソルトに挑戦、という順番が失敗しにくいコツ。さらにハーブティーや料理で少しずつ取り入れると、無理なく生活に溶け込みます。季節や気分に合わせて選択肢を増やすことで、暮らしにさわやかな一匙を加えてみてください。